コウノトリと一緒に

ひょっこり

 

ジャジャーン!

 



「こっちも探索してみよっ」

 

「ん?なんか視線を感じる・・・」

 

 

田んぼのあぜ道の向こう側

白い顔がチラチラ見え隠れしていた1羽のコウノトリさん。

近くに来てくれへんかなあ・・・と思い

リュックを下ろし

しゃがんでじっと待ってみた。

するとこちらに気づいてごはんを探しながらゆっくりと近づいてきて・・・

 

 

「よっこいしょ・・・」

 

「なんでしゃがんでるん?・・・これって楽しいの?」

 

 

近くまでやってきてくれたコウノトリさん。

正面で同じようにしゃがんでくれた(^-^)

このあと立ち上がって近くをうろうろ。

ごはんを探したりこちらを観察したり立ち止まってポーズをとってくれたり・・・

 

 

 

 

 

「なあ、いつまでそうやってしゃがんでるん?」

 

 

と言いたげに不思議そうにこちらを見てきました。

しばらくすると

大きなあくびをひとつして

次の場所へと飛んで行きました。

 

 

「おっと、あくびが・・・」

 

 

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足環からわかること

 

今回出会ったコウノトリさんも結構近くまできてくれたので

足環の色を確認することができました。

早速、コウノトリの郷公園の足環カタログ👇をチェック!

 

https://satokouen.jp/downloads/ind_identif/ind_identif.pdf

satokouen.jp

 

右足に青、青、左足に赤、赤の足環。

2022年4月26日京都府綾部市生まれ、7月6日に巣立った男の子でした。(J0462)

近くまで来て一緒にしゃがんでくれたり、好奇心旺盛な面白い子でした(^-^)

 

 

幸せを運んでくる赤い嘴のコウノトリは・・・

 

欧州にはシュバシコウという日本やアジアの一部にいるコウノトリの仲間がいます。

コウノトリ(Oriental white stork)とシュバシコウ(White stork)の見た目の違いは嘴の色。

コウノトリの嘴は黒に対し、シュバシコウ(朱嘴鸛)はその名の通り嘴の色が赤です。

シュバシコウは夏は欧州各地等で繁殖し、冬は多くがアフリカに渡り越冬する渡り鳥だそうです。

 

このシュバシコウ、繁殖期になると人家の屋根や煙突に巣をかけることから

「シュバシコウが幸せを運んでくる」

「シュバシコウが赤ちゃんを運んでくる」

といった言い伝えがあり、

日本で「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」と言われるようになったのは

このシュバシコウの伝承が起源となっているそうなのです。

 

 

コウノトリと一緒に

 

ヨーロッパ各地でシンボルになったり国鳥とされているコウノトリの仲間、シュバシコウ。

かつては日本のコウノトリと同様に、ダム建設、干拓等の生息地における自然破壊、農薬使用による餌の減少、乱獲等で次第に個体数が減り、絶滅の危機にあったそうです。

 

フランスでも1970年代にシュバシコウの数が激減し、国が保護鳥としてアルザス地方に保護活動センターを設置して人口孵化に取り組み始め、今では個体数は持ち直してきているそうです。

(地球温暖化による新たな問題もあるそうですが・・・)

 

アルザス地方ではシュバシコウをモチーフにしたぬいぐるみ等がお土産として売られていたり、屋根の上に巣があったり、シュバシコウを身近に目にすることができるようになり、シュバシコウの方もあまり人を恐れることはないそうです。人々がシュバシコウを大切に想い、日々の生活の中に割と身近な存在としてシュバシコウがいるように思います。

 

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西島秀俊さん主演の「シェフは名探偵」というドラマの最終話に赤い嘴のコウノトリ、シュバシコウのお話がチラッと登場したのがきっかけで、シュバシコウのことについて少し調べてみました。

因みにドラマの中では、アルザス地方の名物料理ベッコフに使われる鍋にシュバシコウがデザインされていました。

ベッコフは白ワインで漬けた肉と野菜をお鍋で一緒に煮込む料理で、ベッコフとは「パン屋のかまど」という意味だそうです。昔はパンを焼いたかまどの残り火でこの料理がつくられていたそうです。

 

www.tv-tokyo.co.jp

 

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日本でもコウノトリの個体数が増え、コウノトリに遭遇する機会も増えました。

コウノトリが生活していける環境が広がっていくといいなと思います。